債務整理とは?

債務整理とは、借金を法的に解決に近づける手続きのことです。
また、債務整理をすることによって多重債務から抜け出すことができる公的な手続きです。
多重債務・・・聞くだけでズシリと重くのしかかって来る言葉ですが、やり方さえわかれば、決して解決できない問題ではありません。これを人生を好転させるチャンスととるか、人生の終焉と解釈するかはあなた次第なので、前者を選択し多重債務の苦悩から解放されましょう。

◆なぜ多重債務を背負うのか?

多重債務とは、簡単に言うと、複数の貸金業者から借り入れを行う事(クレジット・ローン・キャッシングなど)なのですが、借り入れ経験のない人からすると、なぜ1社から借りないのか?疑問に思うはずです。答えは簡単です。仮にA社から限度額満額借りていると、それ以上借りることが出来なくなるため、次はB社、その次はC社から・・・と歯止めが利かなくなるわけです。

人間の欲求というのは上限がないため、抑制する気持ちを持たなければ、再現なく借り入れを行ってしまうわけです。特に無人契約機などはお金が出てくる魔法のように最初は感じるでしょう。

ここが多重債務者になるかどうかを分けるポイントです。簡単に借りられることがわかれば、軽視してしまい、A社の返済はB社から借りてしのげばいいや・・・くらいになり、最終的にその無間地獄から抜け出せなくなるわけです。

債務整理は5つある

自己破産・任意整理・特定調停・個人再生・過払い金請求の5つがあり、それぞれ自分の借金に合った債務整理で検討します。
借金問題に悩んでいる人は日本では200~300万人いるといわれていて、中には自殺をしてしまったり、悲しい結末を招きかねない深刻な問題です。
最悪の結末を避けるためにも、借金問題のスペシャリストである弁護士に相談することをおすすめします。
一人でどうしようもなくなった場合は、専門家に相談してみましょう。
次はその4種類の債務整理の特徴とメリット・デメリットを詳しく紹介していきます。

自己破産とは

法的手続きによって借金が免除されます。裁判所に申請し、借金全額を0にしてもらう債務整理の手段になります。一見、最高の債務整理手段に思えるのですが、デメリット(5年~10年は一切の借り入れ不可となりブラックリスト入りする・住居の差し押さえなどが入るため、周囲に露見する恐れがある・財産とみなされるものはすべて没収される)も存在しており、安易に申請するのは考え物です。

メリット

●借金を払う必要がなくな
●返済能力がないと判断されれば誰でも手続きを行うことが可能
●取り立てがなくなる

デメリット

●10年以内は信用情報に載るため、クレジットカードが作れないなどの弊害がある
●原則として20万円以上の価値のあるものは手放さなくてはいけない
●3ヵ月から半年の間は一部の職業につけない場合がある
●一般の人が目にすることはほぼないが、官報に登録される
●状況によって、受けれないことがある

任意整理とは

借金を減らし、重い金利から解放してくれるものです。裁判所を通さずに手続きすることができ、カードローンやキャッシングなどの高金利に苦しむ方たちの味方の債務整理になります。債権者との直接交渉で5年以内に返済するという交渉で、この場合、交渉成立以降の利息は発生しなくなります。直接交渉となるので、裁判所も介入しないのが一つの特徴です。

債務整理の中で唯一、所有しているクレジットカードの継続使用が許されている債務整理方法(カードの新規作成は不可)で、取り立てもなくなり、財産の差し押さえなどもないため、負担も少ない。

ただ、ブラックリスト入りは確実で、一定期間は一切の借り入れは不可となります。こちらも後述する個人再生などと同じく、安定した収入がないと裁判所から申請を却下されるのと、状況により、貸金業者との示談が成立しない場合があるので、ケースバイケースとも言えます。

また、払い過ぎた利息が返ってくる過払い金をしたり借金を大幅に減額することに向いており、いままではすぐに自己破産を勧められていましたが、任意整理をすることは丁度良い妥協点となっていて人気です。

メリット

●裁判所を通さずに専門家と貸付業者が直接交渉を行うので、依頼者の負担が少ない
●職業や資格など制限されずに受けることができる
●将来の利息が0も交渉によっては可能
●依頼すると、すぐに取り立てを止めることができる
●過払い金が発生していた場合、返金手続きを行えば、借金がゼロになったり、現金が戻ってくる可能性がある

デメリット

●5年程度は信用情報に記載されるので、その間は新規でローンを組んだり借入を行うことができない
●裁判手続きである自己破産や個人再生に比べると、借金を減らす効果は高くない

特定調停とは

借金返済の交渉方法のひとつで、最も優れた債務整理方法と言えます。

裁判所が債権者との間に入って仲裁してくれるため、可決されやすく、借金や金利の減額が見込め、しかも低コストで申請することができるので、多くの債務者の助けとなっています。

調停が成立されれば、利息がつく事なく、分割で借金を返済していくことができるので、取り立てに怯える日々からも解放され、非常に建設的な日常を取り戻すことが出来るはずです。

金利の過払いについても、回収することができ、借金の残高から差し引いてもらうことが出来るので、大変救われると思います。

こちらも他の債務整理方法と同様に、ブラックリスト入りは確実で、上限7年は借り入れや融資は受けられなくなると考えておいてください。

メリット

●利息をつけずに返済するのみ
●低コスト

デメリット

●ブラックリストと呼ばれる信用情報機関に登録され、7年間は借りれない

個人再生とは

債務整理の中で最も手続きが複雑で面倒だといわれているものです。
しかし、価値のある家や車を残しておけるなどのメリットが多いのは特徴です。

例えば借金額が・・・

・1500万円未満~500万円未満のケースでは借金額の20%を。
・500万円未満~100万円のケースでは、借金額を100万円に再設定し3年間で返済していく返済方法となります。

借金額が大きいほど力となってくれる返済プランとなります。
自己破産などとは異なり、車や住居の差し押さえなどもなく、周囲にその情報が洩れることもありません。

また、取り立てがストップするので、精神的にも非常に落ち着いた安定が得られ、地道に働き返済していくという猶予を与えられるため、多重債務により行き詰ってしまい、人生を再スタートするのに、非常に優秀な借金返済方法だと言えます。

しかしながら、ブラックリスト入り(一定期間一切の借り入れ不可)、固定収入がなければ申請できないなどの難点もあります。

メリット

●住宅ローンなどが残っていても、自宅を手放さなくて済む
●借金の総額によって減額される額は変わりますが、大幅な減額が期待できる(例:300万円→100万円)
●依頼後は、催促や取り立てがなくなります
●ギャンブルや浪費での借金でも申込みが可能

デメリット

●10年以内は信用情報に登録されるので、新規の借入やクレジットカードの作成ができなくなる
●一般の人にみられることはほとんどありませんが、官報に掲載されます
●債務整理の中で一番手続きが複雑なため、費用、手間、時間がかかる
●任意整理のように一部の貸金業者(消費者金融など)を除外して手続きをすることができない

過払い金請求とは

CMなどでも世間を賑わせ、話題になっていた過払い金請求。
グレーゾーン金利のことを言い、払い過ぎた利息が返ってくる可能性があることから、非常にメリットの多い債務整理として人気です。

メリット

●裁判所を通さずに弁護士や司法書士と貸付業者と直接交渉することによって、周囲に知られることなく手続きが可能です。
●完済された過払い金請求はブラックリスト(信用情報)の記載されません。
●過払い金を請求すると、払い過ぎた利息が返ってくる可能性がある

デメリット

●過払い金を請求した業者には二度と借入申込ができなくなる可能性があります

◆まとめ

多重債務者となる可能性は誰にでもあります。多額の借金があり、返済不可・・・という状況に陥ってしまうと、取り立てや将来の見通しが出来なくなりパニックになることもあるでしょう。

まずは落ち着いて、どのように借金を返済していくか上記4つの返済方法から選ぶことが今後の将来の展望へとつながります。

借金苦で人生にピリオドを打つ人も少なくありません。保証人に迷惑をかけてしまう苦渋に耐えられないなどもあるでしょうが、地道に返済していく気持ちがあれば、必ず救いの手は差し伸べられますので、冷静に状況を判断し、対処していくのが最善策だと考えられます。

どの方法でも取り立てはなくなるので、それだけでも、精神的に追い詰められる日々からは救われます。まずは正しい知識を。次に返済方法を考える。そうすればきっと道は開けます。

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