家族が勝手にカードローンを契約したら支払い義務、ある?ない?

■家族であれば意外と簡単に契約ができてしまうカードローン

まずタイトルを見て「本人以外の家族が勝手にカードローン契約をすることができるの?」と驚きを感じたかもしれません。
結論から言えば、意外と簡単に契約することができてしまいます。
カードローンの申し込みをするとき、必要になってくる書類は身分証明証のみ(低額融資の場合)となり、家族であれば簡単に用意をすることができます。
後は、必要な情報を入力(記載)していくだけになるため、簡単に契約ができてしまうというわけですね。

◇ユーザーが「契約の簡潔化」を求めた結果…ある意味で致し方がない部分

簡単にカードローン契約ができてしまう時代だからこそ、このような問題が発生しているわけですが…。
実のところ、契約の簡潔化はユーザーからの強い要望もあったという背景もあることを理解しておきたいところです。
日本貸金業協会が行っている利用者へのアンケートというものが存在するのですが…ここには約40%の人が、さらに簡略化して欲しいと願っているほど。
結果、もっと簡単に、本人にバレずに勝手に契約ができてしまう可能性もでてくるわけです。

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■知らぬ間に契約されてしまった本人が気付くタイミングとは?

勝手に契約されてしまった被害者の本人ですが、どのタイミングで異常事態に気付くのか?
正直なところ、なかなか気付くことはできません。
カードローンとは無縁の生活を送っている人は、なおさら気付くことは難しいと言えるでしょう。
さらに…本人が家族と離れて暮らしているような場合は、なおさら発覚するタイミングはなくなってきてしまいます。
強いて言えば、住宅ローンの審査に落ちてしまったときだったり、自動車ローンの審査に落ちてしまったり、クレジットカードの審査に落ちてしまったり。
このように何かしらの審査に落ちてしまったときに「おかしいな?」と感じ、信用情報機関に問い合わせて初めて知ることになるぐらいです。
後は、本人に成りすまして契約した家族が、支払いを滞らせてしまい督促状が郵送されてきたり、銀行振込で融資を受けた場合に記載されてしまった内容が見られてしまったり…など。
つまり、不正利用をしている側の凡ミスから発覚するというケースですね。

■知らぬ間に契約で不正利用…基本的に支払い義務は発生しない

このように成りすまして契約されてしまった場合、基本的には「不正利用」と同様の状況になります。
いくら家族でも本人以外の契約は認められていませんし、そもそも「犯罪」です。
したがって、本人に過失がないと認められた場合には、支払い義務はなく、そのまま終結していくことになります。
ただ…これはあくまでも見知らぬ人に運悪く不正利用されてしまった場合のケース。
これが家族間という話になってくると、かなり話が変わってくるのです。

■難しい家族間の不正利用…支払い義務はどうなるのか?

「家族の誰かが成りすまして不正利用をした。だから、本人の支払い義務はない。」
これが基本的な考えにはなりますが、この主張を通すためには「本当に成りすましされてしまったの?」と証明をする必要があります。
つまり、家族間だからこそ結託して、あたかも不正利用をされてしまったという口裏を合わせることができるというわけです。
ただ借金自体は、成りすましをした本人が支払うことになりますし、業者側から損害賠償がある可能性もあるため、結局は意味がないのでは?と感じるかもしれません。
が、自己破産という手立てでチャラにすることだってできるため、結託するメリットは確かにあるのです。
だからこそ「証明をしないといけない」ということになっています。

少し補足説明をします。

このケースは恐らく自己破産をしたとしても免責が降りずにできない可能性が高いです。
とはいえ「お金がないから支払えない」となり、ずっとゴネていればカードローン業者側が諦めてしまうこともあります。
ここでは詳しく記載をしませんが、業者としては諦めたとしても支払う税金を抑えることができるメリットもあるため、あながち損ではないのです。
結果、あやふやになって終わっていってしまうわけです。

話を戻します。

上記のように、結託を誰か家族の中で人柱になり、お金を借りるだけ借りて、最終的には踏み倒すということができてしまうわけです。
カードローン業者としては、本当にこういったことをしていないのか?が知りたいわけですが、被害者になってしまった本人がいくら説明をしようとも証明することは難しいですよね。
結果、潔白を証明できず…不正利用されてしまったにも関わらず支払い義務が生じてしまうケースもあるわけです。

◇結局…被害者本人が返済していくことが多い

これまでの話は、あくまでも被害者本人の立場で客観的に見たときの内容となっています。
しかし、実際、このような状況になってしまった場合、多くのケースで被害者本人が借金を肩代わりして支払いをしていくことに。
理由は色々とありますが…1つは、身内を犯罪者にしてしまう可能性があるからです。
被害にあったお金をチャラにするためには不正利用されたことを正式に業者へ伝えなければなりません。
このとき「警察に被害届を出し受理された状態にしないといけない」わけで、最悪のケースとして、そのまま起訴処分になってしまう可能性が。
やはり家族が起訴されてしまうとなれば、色々と厄介なことになってしまうため、被害届は出さずに自身で借金を返済していくことになってしまうのです。
他にも、様々なケースが考えられますが、行き着く先の多くは被害者本人が支払っていくという状況。
したがって、難しい話ですが、家族からそういったことをしないようお互い良好な関係を築き、お金の問題もカードローンの不正利用ではなく、もっと良い方法で解決できるようにしておくことが重要です。

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