銀行カードローンの審査は消費者金融に比べて厳しいといわれていますが、それにはどういった理由があるのでしょうか?
■金利が低いためリスクを可能な限り排除するため
「ゼロ金利政策」「ライバル銀行の金利引下げ」など、様々な要因で、昨今、金利が下がり続けています。
2017年3月現在では、最大でも15%を切ってくる銀行カードローンも全く珍しくない時代に突入してきました。
ちなみに、消費者金融業者も下がってきてはいますが、なかなか15%を切ることはできていません。
銀行カードローンの審査が厳しい理由の1つ目は、この金利が低いということがキーポイントになってきます。
金利が低いということは、言うまでもなく、銀行側の利益が少なくなるということに繋がってきます。
つまり、より薄利多売をしていかなければならない状況に。
しかし、だからと言って、審査を緩くして、属性が悪い人にも融資してしまうと…苦労して得た利益が一気に吹き飛んでしまう可能性を常に抱えていないといけないことになります。
属性が悪い人を多く抱え、それらの人が債務整理をしてしまえば…苦労して得た利益が一気に飛んでしまうことになってしまうわけです。
銀行としては、保証会社が補償をしてくれるため、一定のレベルで防ぐことができますが、それでも限界がありますし、全く影響がないというわけでもありません。
となれば、このようなリスクを可能な限り排除したいと考えるのは必然。
この必然の考え方が、ダイレクトに審査の厳しさに繋がってくることになっているのです。
これが、銀行カードローンの審査が厳しいと言われる所以の1つ目になります。
■銀行自身の信頼度を落とさないため
2つ目は、銀行自体の信頼度を絶対に落としたくないからです。
銀行という業界は、言うまでもなく「信頼度が非常に重要な世界」になります。
人様のお金を預かって、そのお金を運用して利益を上げるわけですから、信頼度が低ければ、誰もお金を預けなくなってしまい、経営が厳しい状況になってしまいます。
これを踏まえ…審査の厳しさにどのように繋がってくるのか?
例えば、年収300万円の人10人に「200万円」の融資をしたとします。
総量規制対象外の銀行カードローンのため、このような融資は可能となっているわけです。
しかし、暫くすると、10人の内、半分の5人が返済できなくなり、債務整理することになってしまったという状況に。
この文章を読んで、非はどこにあると思いますか?
言うまでもなく、無理な融資を申し込んだ利用者で、返済ができなくなるような利用はすべきではなかったというわけですね。
ただ…銀行側に全く責任が無かったのか?と問われると答えはノーですよね。
常識的に考えて、少し貸しすぎという不安な面があることは、誰もが感じることかと。
世間は、どちらかというと「貸し過ぎと分かっていても融資をした銀行側に問題がある」と判断しかねないのです。
色々な状況もありますが、100%ない話ではありません。
このような状況になってしまえば、銀行の信頼度が著しく下がることは言うまでもありません。
この例え話はあくまでも10人規模ですが、これが100人、1,000人、10,000人となってこれば、社会問題になりメディアに大々的に取り上げられてしまう可能性も。
現に、ちょっとした銀行のミスがあったとき、血眼に揚げ足を取る報道がされることも少なくありません。
だからこそ、銀行自身、信頼度を落とさないためにも適正な融資を心掛け、その心掛けが審査の厳しさに繋がってきている状況です。
■絶対にあってはならない経営破綻の可能性
最後の3つ目は「銀行の経営破綻の話」になります。
したがって、正直なところかなり可能性は低いです。
だからと言って放っておいてよいという問題でもありません。
その結果が、審査の厳しさに繋がってきている状況です。
例えば、世界的な知名度を誇るメガバンクが、経営破綻をしてしまったらどうなるか?
明確な答えを出すことができる人は皆無かと思います。
何故なら、世界全体の経済がマズイことになるという大きな部分は予想することはできますが、具体的にどうなるのか?までは分かりませんからね。
ともあれ、とにかく世界規模で危機的状況を作ってしまう可能性を秘めているわけです。
もしこれが、大手消費者金融が経営破綻をした場合と考えたらどうでしょう?
経済に大きな影響を与える可能性はありますが、世界規模で危機的状況になることはありません。
結果、ここに銀行カードローンの審査の厳しさが出てしまうことになります。
昨今、銀行カードローンのサービスは、必ず保証会社を立てて利用者に融資をする形になっています。
したがって、利用者側が返済できない状態になったとしても、保証会社が補償してくれるため、銀行としての損益は軽微。
ただし…これはあくまでも常識の範囲内であり、誰彼構わず融資をしてしまい保証会社の経営を圧迫させてしまうほどのものになってしまえば、話が変わってきます。
こういった背景もあるため、どんなに小さなリスクであっても、全体を見通した場合、どうしても回避をしないといけない状況というわけです。
だからこそ、審査を多少厳しくして、信頼できる人にしか融資をしないようにしているのです。