■2016年の自己破産申立ては「64,637件」という数字に
見出しに記載した通り、2016年の自己破産申立ては6万件以上となっています。
もちろん、全ての申立てが受理されるわけではないため、実際に自己破産をした人の数は減りますが…。
とはいえ、1日177件ペースとなるため、その多さに驚きを感じた人も多いのではないでしょうか。
そもそも自己破産という選択肢のハードルが低くなってきていると言われており、このような数字になってしまっているのかもしれません。
◇13年ぶりに増加してしまったというデータ
ちなみに、64,637件という数字は前年と比べると1.2%も増加してしまっている状態です。
加えてお伝えしておくと、増加に転じてしまったのは、実に13年ぶりの出来事となっています。
そして2017年は、まだまだ増加してしまう可能性がある予想され、各方面の専門家(金融系・法律系・政治家など)たちが、どうするべきか?と原因を探っている状況です。
(原因を探り対策することで自己破産者を減らそうと活動をしている状況)
■自己破産が増加してしまった要因に「カードローン」が挙げられてしまっている
さて、そんな原因追求がされている中、その1つとして挙げられてしまっているのが、カードローンサービスです。
昨今、銀行カードローンの業績が右肩上がりになっており、市場規模が徐々に大きくなってきています。
専門家たちは、この状況を一昔前の「消費者金融業者の無茶な貸出」と同じ状況と見ているのです。
(銀行カードローンは総量規制対象外のサービスとなるため年収関係なく融資を受けることができるため…どんどんと貸してしまう)
確かに、そのときと一致する部分は多く、このような懸念を抱くのはごく自然の流れと言えるでしょう。
これが意味することは「総量規制対象外となっているサービスも今後は対象になる可能性がある」ということです。
どのような判断がされるか?はまだ分かりませんが、今のところ、銀行カードローンに関して様々な機関が調査している状況(2017年現在)のため、可能性は高いかもしれません。
◇銀行カードローンの無茶な貸出が悪いという論調は間違っている?
上記のような状況は現実であり否定することはできません。
しかし、消費者金融のときもそうですが、一概にも業者側だけが悪いというわけではありません。
利用者側の中には、同情する余地すらないような横着な借り方をしている人も多く存在します。
このような人たちのために、本当にお金が必要で困っている人も規制に掛けてしまうのは…少々乱暴な論調ではないかという声も事実としてあります。
このあたりを、上手く考慮して自己破産を減らしていける社会になってくれることを切に願いたいですね。
⇒銀行カードローンを批判し社会問題にする風潮に疑問を抱かずにはいられない
■自己破産の半数は500万円未満の借金という事実
自己破産は、借金額が大きすぎて返済することができなくなってしまった場合に行われるものです。
したがって、一般論として数千万円だったり、数億円だったり、非常に大きな額をイメージしてしまいます。
が、蓋を開けてみると、約半分の人たちが、500万円未満の借金で自己破産をしているのです。
「え?そんな額で自己破産をしているの?」と感じた人も多くいらっしゃることかと。
だからこそ「自己破産のハードルが低くなってきている」という声も上がってしまうわけですね。
◇自己破産する前に努力で何とかできるか?を考えてみる
そもそも自己破産という選択肢は最後の手段です。
したがって、安易に「もう厳しいから自己破産をしてしまおう」と考えないことが大切です。
確かに、精神的にも救われる制度のため頼りにはなりますが…相応のリスク(信用情報に大きな傷がついてしまう)もあることは理解しておくべきです。
厳しい言い方になってしまいますが、500万円未満であれば、決して返せない額ではありません。
そこに「甘え」がないか?を今一度、確認し努力で何とかできるのであれば、そうする選択肢を取ることが大切です。
■やんや言う前にお金を稼ぐ方法を考えろ!
そもそも自己破産をしてしまう理由は、低所得が起因の生活苦というのが、全体の60%を占めています。
他には、医療費だったり、保証債務だったりがありますが、何れも20%程度という数字に。
であれば、約6割の人は、収入を増やすことで自己破産を防ぐことができるわけです。
結果、見出しに非常に厳しいことが書いてありますが…「収入が少ないのであれば増やす方法を考えてみましょう!」ということになってきます。
◇お金を稼ぐ方法はいくらでもある
昨今、様々な業界(介護・ITなど)で人手不足が大きな問題となっています。
極端な話をすれば、こういった人手不足の業界に足を踏み入れて収入を増やせばよいというだけの話になります。
もちろん、母子家庭などで小さなお子様を育てている状況であれば、こうも簡単な話ではありません。
しかし、空いた時間でできる仕事はいくらでもあります(クロスワードパズル制作など)。
自分ができる範囲の中でできる仕事は必ずあります。
それを探す努力をすることができれば、自己破産を回避できるだけではなく、その後の生活苦からも必ず逃れられるはずです。
◇状況的に難しい場合は然るべき場所に相談を
仕事がどうしてもできないという厳しい状況の人もいらっしゃいます。
そういった場合でも、自己破産をする前に行政だったり、カードローン業者に直接相談をするなり、様々な方法があります。
色々と手助けをしてくれる財団法人も存在するため、とにもかくにも使えるところ全て使ってから、それでもダメなら自己破産という選択肢をとることをおすすめします。