年金受給者でも借入れできる!年金担保貸付制度の仕組み

年金受給者はお金を借りる手段がないと思って諦めていませんか?年金受給者には主に下記のような貸付制度があります。

福祉医療機構の年金担保貸付制度
日本政策金融公庫の恩給・災害補償年金担保貸付

これらはカードローンよりも断然低金利で借りることが出来ます。
公的制度なので安心して利用することができます。しかし、年金担保貸付制度は廃止が検討されている制度でもあります。返済が年金からの天引きで行われるたため、生活が圧迫されてしまうというデメリットがあるのです。

そういった点も含めながら、「年金担保貸付」の概要を見ていきましょう。

◆年金担保貸付制度とは

年金を受給している高齢者の方を対象とした公的な貸付制度です。

医療費や住宅のリフォームなど一時的にまとまったお金が必要となった時に、年金を担保にして低金利でお金を借りることが可能になります。

銀行や消費者金融など民間業者では年金を担保として融資を提供することは法律で厳しく規制されているため、年金を担保として融資を受けることができるのは「独立行政法人福祉医療機構(WAM)」と「日本政策金融公庫(JFC)」が提供していている年金担保貸付のみとなります。

機関・事業名 担保にできる年金
福祉医療機構(WAM)
年金担保貸付・労災年金担保貸付
厚生年金、国民年金、船員保険年金、労災年金(老齢年金、老齢基礎年金、障害年金、遺族年金のいずれも可)※
日本政策金融公庫(JFC)
恩給・共済年金担保融資
恩給、災害補償年金、共済年金、共済組合が支給する厚生年金

※厚生年金基金、国民年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金から支払われる年金、老齢福祉年金、特別障害給付金、石綿健康被害救済法に基づく特別遺族年金は不可

◆年金担保貸付制度の仕組みや特徴

年金を担保として融資を受けることができる年金担保貸付制度の仕組みや特徴についてご紹介していきます。

◇貸付条件について

年金担保貸付制度は、下記の年金証書を持っている年金受給者の人であれば誰でも申込むことが可能です。

・国民年金証書

・厚生年金保険年金証書

・国民年金、厚生年金保険年金証書

・船員保険年金証書

・労働者災害補償保険年金証書

更に、年金担保貸付は貸付条件として連帯保証人が必要となります。

しかし、連帯保証人を依頼できない場合は信用保証機関の信用保証制度を利用することによって申込みが可能になります。

【利用できない条件】

・大前提として、年金を受給していない人は利用できません。年金の受給が開始される前も利用不可となります。

・平成26年12月1日以降に借入申込して任意繰上返済し、融資決定時の完済予定日に到達していない(平成26年(2014年)12月1日以降に年金担保融資で借入をして、当初の予定より早めて繰上返済した人の一部にあてはまる条件になります。完済予定日が来るまでは新規の申込は出来ません。)

・生活保護受給中である

・以前年金担保融資を利用中に生活保護を受給したことがあり、その上、生活保護廃止後5年間を経過していない

・お金の利用使途がギャンブル、公序良俗に反しているもの

・年金の支給が全額停止されている

・同一の年金で借入金残高がある

・現況届または定期報告書が、未提出または提出遅延

・特別支給の老齢厚生年金(65歳ではなく60歳から年金支給を受けられる制度。年金を昭和36年4月1日以前生まれ男性、昭和41年4月1日以前生まれ女性にのみ適用が可能。)を受給していて、65歳時の年金決定手続き期間中

◇限度額について

融資が可能とされる限度額は、下記の条件の中で決定されます。

そして、その金額の中で1万円単位での融資が可能となります。

・受給している年金額の0.8倍以内

・1回あたりの定額返済額の15倍以内

10万円~200万円まで(生活必需物品の購入の場合は10万円~80万円まで)

◇金利について

年金担保貸付は銀行や消費者金融などといった民間業者からの借入れによる金利と比べて、公的な貸付制度なため低金利で融資を受けることが可能です。

年金担保貸付制度の金利は、金融情勢によって変動する場合もありますが、平成29年現在では下記の金利が設定されています。

年金種類 金利
年金担保融資 1.9%
労災年金担保融資 1.2%

※平成29年現在

◇返済について

年金担保貸付は基本的に返済期間が2年6か月以内と設定されています。

返済については、独立行政法人福祉医療機構(WAM)や日本政策金融公庫(JFC)が申込者に代わって年金の残額を全て受取り、その年金の中から定額返済額分を差し引いた残りの年金を、時給者の口座に振込むという仕組みになっています。

このような仕組みのため、延滞などといった返済忘れをする心配はありません。

毎月の定額返済額は下記の条件の中で設定されます。

返済が開始されるのは融資実行日の翌々月以降の偶数月です。返済がスタートすると、(年金支給額ー定期返済額)=年金受取額が口座に振り込まれます。

定額返済額 限度額
定額返済額の上限 1回あたりの年金額の3分の1
定額返済額の下限 1万円(返済単位は1万円)

返済を行っていく中で通常通り返済を行うことが厳しくなった場合は、変更の申請手続きを行うことによって「返済期間を3年に変更」したり、「1万円単位ではなく千円単位で定額返済額を変更」することが可能となります。元金を減らすわけではありませんが、返済が苦しくなったときの変更プランがあるので、安心できますね。

◆独立行政法人福祉医療機構(WAM)による年金担保貸付制度とは

独立行政法人福祉医療機構による年金担保貸付制度の対象となる「年金」とは基本的に下記のことを指します。

・国民年金

・厚生年金

・共済年金

年金を収めることによって、将来年金を受給することが可能となります。

次に、この年金についてそれぞれご紹介します。

◇国民年金とは

国民年金は、20歳以上~60歳未満の国民の全ての人が納めなければいけません。

納付を行う金額は定額となっており、平成29年の段階では納付の対象となる「国民年金第1号被保険者」及び「任意加入被保険者」が納付する保険料は一人当たり16,900円と決められています。

◇厚生年金とは

会社に勤めている人が加入する保険となります。

保険料は毎月の給与の金額によって異なりますが、厚生年金は保険料の半額を会社が負担する仕組みとなっているため、実際の納付額は毎月給料から納めている納付額の倍の金額となります。

◇共済年金とは

国家公務員や地方公務員が加入する保険となります。

年金の内容としては会社員の人が加入する「厚生年金」と同じですが、共済年金の場合は厚生年金と違い「職域加算」といった、職業手当てのような一定の加算額が年金に加算されます。

◇「繰上げ受給」「繰下げ受給」について

年金の受給は基本として65歳と決められていますが、申請を行うことによって「繰上げ受給」や「繰下げ受給」を行うことが可能となります。

しかし、年金受給年齢の繰上げや繰下げ行うことによって受給額に下記のように影響を与えてしまうので注意が必要です。

受給時期の変更 影響内容
繰上げ受給 繰上げ受給の請求をした時点で年金が減額される
繰下げ受給 繰下げの請求をした時点で年金が増額される

◆日本政策金融公庫(JFC)による恩給・共済年金担保融資とは

恩給とは、旧軍人や公務員が公務で死亡した場合や、一定の年数以上在職して退職した場合、公務の中でケガをしたり病気で退職した場合は、退職をした本人や遺族に対して特別給付金が給付されることを言います。

このような恩給や共済年金を担保として日本政策金融公庫から融資を受けることも可能です。

恩給・共済年金担保融資は条件によって金利や限度額などそれぞれ特徴が異なっているため下記にまとめてみましたので参考にしてみてください。

利用対象条件 恩給や被災補償年金を受給している 共済年金を受給している
金利 年0.36% 年1.81%
限度額 250万円(※担保とする年金の3年分以内) 250万円(※担保とする年金の2年分以内)

※平成29年現在

◆疑問を解決!

次では、気になる疑問を解決していきましょう。

◇借主が死亡した場合の返済について

年金担保貸付は申し込み時に連帯保証人が必要となります。

そのため、借主が死亡するなど何らかのトラブルで返済が不可能となった場合は、連帯保証人が借金を弁済しなくはいけません。

ただし、年金担保貸付は連帯保証人を個人で依頼できない場合は、信用保証機関に別途保証料を支払うことによって信用保証制度を利用することも可能です。そのため、返済ができなかったからといって、連帯保証人ではない家族や身内に弁済を求められるようなことはありません。信用保証制度を利用する際は、団信(団体信用生命保険)に加入しますので、亡くなった場合は住宅ローンなどと同じように借金がチャラになり支払う必要がなくなります。

◇他社からの借入があっても借りれるの?

資金の利用使途の中に「債務の一括返済」があり、他社からの借入にも寛容です。

平成22年の福祉医療機構の調査によると、年金担保融資以外に住宅ローン・銀行カードローン・クレジットカード・消費者金融などから借入がある人は4割近くもいるということがわかりました。借入額で最も多いのは50万円いかで、23.1%でした。(ちなみに、500万円以上借りている人も、14.8%もいました。)

◇廃止を検討中って本当?

実は、年金担保貸付は廃止が検討されているのです。もともと、一時的に医療などで高額費用が発生するのを補うため開始されたものだったのですが、その後介護保険や高額医療の支給制度などが整ったことによって、すぐに高額なお金がかかることもなくなりました。また、年金担保貸付を利用したことにより生活費が削られ生活保護を受給し始める人が増えたことも問題となり、廃止案が出ているのです。

しかし、必要としている人も多くすぐの廃止とはなりません。また、なくなってしまった場合でも「生活福祉資金貸付制度」など他の公的制度が利用できると思われますので、安心してください。いずれにせよ今後の展開の様子見となるでしょう。

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